真綿を広げて猟師を困らせた男
どんな伝承か
丸山岩太郎という少し目の不自由な人物がいた。気楽な性格でいたずら好きであり、ある日、西牛沢へ真綿を取りに行った帰り道に鉄砲打ちの猟師と出会った。腰に何の獲物もないのを見てからかいたくなり、こんながらくた鉄砲でこの真綿が貫けるか試しに撃ってみろ、撃たなければここは通さぬと言って、両手で真綿を胸いっぱいに広げた。猟師は撃てば岩太郎の命が危ういと困り果て、通りかかった平内も狙いをつけたが撃てない。押し問答のうちに日が暮れ、夜になれば岩太郎の目が見えないのを見抜いた二人は抜き足で逃げ、岩太郎は真綿を広げたまま朝まで立っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。