肥だめの金物と祈祷師の裁き
どんな伝承か
牛沢の法印は祈祷師でもあった。村はずれの家が毎年同じ月に疫病にかかるので祈祷を頼まれると、法印はひそかに金物を懐に入れて行き、人に知られぬよう門の肥だめに投げ込んだうえで、この家の臭気のする場所に金物があり、それが障っていると告げた。家人が探すと肥だめから金物が出て、その家から病人が絶えたという。評判は遠くまで広まり、高田の山村の長者から失せた大金の在処を占ってほしいと頼まれた。七日七夜の祈祷の途中、法印が盗んだ者の命を取る祈りに入ると告げると、夜半に奉公人の作吉が忍んで来て白状した。法印は命は取らぬと諭し、翌朝、盗人は土地の者ではないと言って風呂場を探させた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。