皮ごとバナナを食べた法印の機転
どんな伝承か
牛沢の法印は厳格な人物で、もともと倹約家で贅沢をしなかった。あるのどかな日、祝い事で知人の家に招かれ、客が集まって座敷がにぎやかになり、やがて膳が運ばれて宴会に入った。その膳には、法印が今まであちこちの座敷でご馳走になっても食べたことも見たこともない物が皿に載っていた。何であるか知らぬまま皮もむかずにがぶりと口へ入れると、隣の席の者が、それは南蛮渡来のバナナという果物で、こうして皮をむいて食べるのだと笑いながら教えた。すると法印はとっさに、皮をむかずに食べたらどんな味かと試したがなかなか結構な味だと言い、宴席で笑われずに済んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
会津坂下町史 1(民俗編)――伝説(会津坂下町(編・山口弥一郎ほか)・会津坂下町史・自治体史(民俗))
福島県会津坂下町の自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説を網羅する。