トップ > 岩手県の伝承 > 矢巾町

南昌山へ移った青龍権現

所在地岩手県紫波郡矢巾町(南昌山)
年代伝承
登場俊昌和尚、誦経の婦人、龍
出典農民俚譚

どんな伝承か

盛岡に祇陀寺という寺があり、山号を青龍山といって南昌山の別当も兼ねていた。この寺の旧地には大きな池があった。俊昌という和尚の代に、毎日どこからともなく庵の前へ来て誦経を聴く婦人があった。素性を問うても無言で立ち去り、翌日はまた来る。それが百夜に満ちた夜、女は和尚の前に伏し拝み、自分は当寺の池に年を経た青龍であるが、日夜の誦経聴受の功徳によって鱗甲の苦悩を離れたいと涙ながらに願った。和尚が血脈を授けると、三夜の後に女は再び現れ、礼を述べて鱗甲二枚と龍の爪を残し、石の形に似た山へ行くと告げて去った。その山が南昌山であったという。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

農民俚譚(佐々木喜善(著)・本山桂川(編)・佐々木喜善・東北民俗・1934年(昭和9年))

『農民俚譚』は、佐々木喜善が書きためた昔話や伝説を、その没後に本山桂川が編んで昭和九年に刊行した本である。陸中の和賀郡・岩手郡・胆沢郡で集めた炭焼長者や瘤取爺などの昔話に、河童・山男・山女・人柱・蛇にまつわる伝説、地蔵の話、異類に嫁ぐ女の話を記した「縁女綺聞」、紫波郡の口碑による「鳥蟲木石伝」などを収める。郡ごとの昔話には大正十三年の日付の前書きが付き、巻末に本山桂川の追想「佐佐木喜善君の遺業と其晩年」を置く。

種別から探す

龍女誦経権現

矢巾町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『農民俚譚』の伝承