龍女となって喜見山に現れた娘
どんな伝承か
昔、当国高草郡小山村に産見という長者があった。家は豊かだったが五十になっても子がなく、夫妻は同国邑美郡の円護寺に詣でて大日覚王の像に祈った。七日目の暁、婦人が月輪の袖に飛び入る夢を見て懐妊し、面貌の端正な女子を産む。ところが娘は八歳の夏六月に忽然と行方を失った。両親が山海を尋ね歩き、喜見山に登って西北の海上を望むと、雲霧の中に一人の龍女が現れる。それは失った娘であった。龍女は池に来て三日三夜浮かび遊び、六月晦日に男体と変じて立岩山の頂に立ち、天帝釈の身を現したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。