築地の稲荷のお告げと入試合格
どんな伝承か
大正十二年の関東大震災で一高が何ヶ月も休校になり、後藤は図書室で物理や数学を独りで勉強していた。ところが大正十三年、卒業試験を前に流感で寝込む。単位制ではなかったので卒業はできたが、直後に控えた大学入試を受けられる状態ではなく、医者も無理だと言った。祖母は日頃から通っていた築地の稲荷に参り、孫の病を治してほしいと願った。行者でもある神主は難しいと答えたが、祖母が唐櫃を奉納すると誓うと、喜べ、試験は受かるからすぐ唐櫃を注文せよというお告げが下りた。入試の前日、後藤は急に起き上がれるほど回復し、前夜たまたま目に留めた単語がそのまま出題されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊科学と自然科学 ― 一科学者から見た心霊研究(後藤以紀・日本心霊科学協会叢書・1983年(昭和58年))
『心霊科学と自然科学――一科学者から見た心霊研究』は、後藤以紀が昭和五十八年に序を記してまとめた心霊研究の論集である。東大教授・電気試験所所長を務めた著者が、亀井三郎・津田江山らの物理的心霊現象の実験、渡米中にニューヨークで見た現象、ラインハートの実験などを自然科学の立場から検討する。座談と質疑応答、論文、心霊科学と自然科学、心霊現象の種々相、心霊随想の五部からなり、昭和十五年以来『心霊研究』『科学世界』などに載せた文を収める。