封印した乾板に写した月の裏側
どんな伝承か
福来友吉は透視の研究を進めるうち、疑いをはさむ余地のない検証法として、現像前の乾板を黒い紙で包んで封印し、そこへ念だけで像を焼き付ける念写を思いついたという。一九三一年二月二十四日、霊能者の三田光一は須磨の自宅にいながら、箕面にある福来宅の乾板へ月の裏側を念写して成功したとされる。二年後の岐阜での公開実験でも月の裏面や故人の姿を写し、立会人を驚かせた。当時は誰も実際の月の裏を知らなかったが、後年のアポロ計画などの写真と比べると、真後ろよりやや斜めから見た形とおおむね一致していたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊科学と自然科学 ― 一科学者から見た心霊研究(後藤以紀・日本心霊科学協会叢書・1983年(昭和58年))
『心霊科学と自然科学――一科学者から見た心霊研究』は、後藤以紀が昭和五十八年に序を記してまとめた心霊研究の論集である。東大教授・電気試験所所長を務めた著者が、亀井三郎・津田江山らの物理的心霊現象の実験、渡米中にニューヨークで見た現象、ラインハートの実験などを自然科学の立場から検討する。座談と質疑応答、論文、心霊科学と自然科学、心霊現象の種々相、心霊随想の五部からなり、昭和十五年以来『心霊研究』『科学世界』などに載せた文を収める。