赤と黒の蝋燭が示す埋蔵金
どんな伝承か
或る子供が伊勢参りを思い立って家を出た。或る村で一人旅の者は泊めぬ掟だと断られ、村はずれの空家を教えられる。そこでは若者たちが毎晩焚火をして番をしていたが、子供が泊まると聞いて喜んで帰った。夜中、座敷に赤い蝋燭三本が立って赤い坊子三人が踊り、次に常居に黒蝋燭三本が立って黒坊子三人が踊り、いずれも消えた。続いて現れた女が、赤い蝋燭の下には黄金、黒い蝋燭の下には銭があり、それはお前に生まれ付いた宝だと教えて消えた。子供は座敷を掘って黄金の瓶を得、後に一家で移り住んで長者となった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。