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牛連れの男の頭上を跳び越す狼

所在地兵庫県三田市
年代約120〜130年前の麦蒔前
登場乾鰯を運ぶ男・牛
出典兵庫県民俗調査報告8――伝説

どんな伝承か

百二、三十年前の麦まき前のある夜の話。三田へ乾鰯を買いに出た男が、牛に一駄を負わせ自分も荷を担いで帰ろうとすると、心月院の鐘が夜中の二時を告げた。ひと眠りしていけという乾鰯屋の勧めを断って帰る途中、下山の赤門まで来ると、行く手の道に狼が目を光らせて伏せていた。牛はおびえて男の脇にすり寄る。狼はおとの橋の方へ行くかと見えて駆け戻り、頭の上を跳び越えて走り去っては、また後ろから跳び越えてこちらを向いて伏せた。やがて川除の方から大阪へ通う篠山の人夫たちの声が聞こえると、狼はそれを恐れたのか立ち去ったという。

原典より

乾鰯屋が「ひと眠りして帰れ」というのを断って帰り、下山の赤門まで来ると前方の道に狼が眼を光らせて臥せているのに気づいた。—— 兵庫県民俗調査報告8――伝説(兵庫県(編)・兵庫県民俗調査報告) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

兵庫県民俗調査報告8――伝説(兵庫県(編)・兵庫県民俗調査報告)

『兵庫県民俗調査報告8――伝説』は、兵庫県の民俗調査報告の一冊のうち、第10章「口頭伝承」を収めたものである。三田市の乙原・小野・尼寺・青野・末の各地区を対象に、集落の発祥や神社、廃寺、城跡にまつわる伝説、天狗に導かれたという松住大権現、狐狸の怪、狼の話などを、聞き書きと『門野氏郷土物語』などの郷土の記録から記す。伝説のあとに昔話とわらべ歌を続け、わらべ歌は地元の中学校生徒会の協力で集めた尻とり歌や羽根つき歌を載せる。

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