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井戸に落ちた老婆を抱いた明神さま

所在地茨城県北相馬郡利根町大字立木(蛟蝄神社)
年代明治末
登場大房の家のおばあさん
出典利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説

どんな伝承か

明治の末ごろ、大房のある家のおばあさんが夜更けになっても帰らず、大騒ぎになった。村じゅう総出で探し回ったが見つからないまま夜が明けた。朝になって人々が立木の明神さままで来ると、深い井戸の底でばしゃばしゃと水音がする。もしやと声をかけると、それが探していたおばあさんだった。よく助かったものだと驚く人々に、おばあさんは、白いひげの老人に抱きかかえられて井戸へ落ちたので傷ひとつないと話した。その老人こそ明神さまだったのだろうと人々は語り合った。危ないというので井戸は埋められたが、鳥居から本殿へ向かう参道の西側、やぶの近くにあったという。

原典より

ひとびとは、その白いひげのおじいさんこそ、明神さまであったのだろうと話合い、いまさらながら、明神さまのご利益のあらたかさに感じ入ったという。—— 利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説(利根町(編)・利根町史)

『利根町史 第4巻(通史・民俗編)――民話と伝説』は、利根町が編んだ町史の一巻で、第一章を「民話と伝説」にあてる。町内を歩いて聞き集めた話と『北相馬郡志』などから引いた話を収め、大平権現や布川の地蔵の由来、バッソンの笑い話、大蛇・河童・むじなやキツネに化かされた話、押付新田の鶴殺し事件などを載せる。伝説と昔話に分けず文・布川・文間・東文間の地区ごとに節を立て、各話の題に伝承地を添え、話者名や方言の語釈を注記する。

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