正月十四日まで餅つきをしない家(こじき殺し)
どんな伝承か
下石戸上のS家では、大正十年ころまで正月の餅をつかなかった。昔、本家の先祖が長野から移り住んで来た際、正月の餅をついていたところへこじきが来たので、縁起でもないと門松を抜いてなぐり殺してしまった。それ以来、正月の餅はつかず、門松も立てないことにしたという。分家した当家も長くこの家例に従い、一月十四日になって初めて餅をつき、神様にも供えた。これを「隠し餅」という。餅を食べること自体はよく、桶川の市場にある親戚についてもらった餅を食べていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北本市史 第6巻(民俗編)――伝説(北本市(編)・北本市史・自治体史(民俗))
『北本市史 第6巻(民俗編)』第十一章所収の伝説。埼玉県北本市に伝わる口承を採録する。