柱曳きを照らした灯明岩
どんな伝承か
海尻の奥、八ヶ岳の裾に灯明岩と呼ばれる岩がある。むかし海尻の人々が善光寺へ納める柱を得ようと、八ヶ岳の麓で木を伐り出し、途中まで曳いてきた。ところが日が落ちてあたりは真っ暗になり、作業は行き詰まってしまった。そのとき、そばにあった屛風のような形の岩がひとりでに灯明の光を放ち、あたりを照らし出した。人々はその明かりを頼りに、柱を無事に運び出すことができたという。それ以来、この岩は灯明岩と呼ばれている。
原典より
海尻の奥の八ヶ岳のふもとに灯明岩という岩がある。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。