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絶壁の一本道で背後から呼ぶ声

所在地長野県南佐久郡南牧村大字海尻下のみやま
年代不明
登場豆腐の会合帰りの夫
出典南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話

どんな伝承か

夫が海尻の豆腐屋の寄り合いに出たまま、翌日の午後になっても帰らない。心配した妻が海尻の姉に問い合わせると、前夜六時ごろには発ったという。九時半ごろ、夫は下駄を片方ぶら下げ、鉢巻きをして裾をからげ、汗みずくで戻ってきた。話によれば、下のみやまの大曲がり、清水の落ちるあたりで、背後から二、三度おーいと呼ばれた。道端の石に腰かけて煙草を吸っているとまた呼ぶので、追い剥ぎかと身構えたが、何も起こらなかった。横へ逸れようのない絶壁の一本道を、二十分の道のりに三時間半もかけていた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)

『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。

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