天から下がり続ける槌の長い話
どんな伝承か
孫に昔話をせがまれた婆が、これという話を思いつかず、天から槌が下がってくる話を聞かせた。ずるずる、ずるずると天から槌が下がってきた、昨日も今日も、引いても引いてもずるずる、ずるずる、いつまでたってもずるずる、ずるずると下りてきた、いくら引っ張ってもずるずる、ずるずる、と同じ文句をいつまでも繰り返す。とうとう孫のほうが、もう十分聞いたからいいと言い出したという、終わりのない長い話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史・自治体史(民俗))
福島県南郷村(奥会津)に語り継がれた方言による昔話三十一話と伝説十六話を網羅する。昔話はきのこの化け物・食わず女房・三枚のお札・笠地蔵・桃太郎・猿婿入り・ほととぎすの姉妹・人喰い鎮守・天女の羽衣・羅生門の鬼など、語り手(和泉田の五十嵐ヤスら各集落の伝承者)を明記して収める。