姥捨て山(茅の道しるべ)
どんな伝承か
向原下組の羽田高(大正二年生)が語った伝説。姥捨て山は長野県にあり、今もウバステという駅があると語り出す。昔は六十になると役に立たないというので、じいさんやばあさんを背負って山へ捨てに行った。ある人が親を背負って行くと、親は行く先々で茅を結んでいった。捨てて帰るとき、息子が道が分からず困っていると、結んだ茅がずっと続いており、それをたどって我が家に着いた。年寄りは捨てられぬということになり、以後は捨てないことになったという。
原典より
523 A 親棄山舟久保みつよ (M29)26姥捨て山523 A 親棄山加藤憲明 (M40)27—— 向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。