十二支の由来
どんな伝承か
向原下組で採られた『猫が十二支に入らない訳』は、三人の話者から語られている。羽田クマヨは、猫はお釈迦様が死んでも泣かなかったそうだ、だから猫は畜生だ、他の動物には人情があるけれど猫は畜生だから十二支に入っていないと語る。羽田キクエは、お釈迦様が死んでみんなが泣いているところへ猫が来て『ニャンのおもしろくもねえ』と言った、それで十二支に入らないといういわれがあると語る。羽田キンコは、お釈迦様が涅槃に入るとき動物も全部寄って泣いたのに、猫は『釈迦死んでも猫ニャンともない』と泣かなかった、寺にある涅槃図にも猫は入っていないと語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。