犬の脚
どんな伝承か
犬の脚は、昔は三本しかなかったという。三本では歩くのに不便なので、犬は「一本ください」と頼んで脚をもう一本もらった。せっかくもらい受けた脚に小便をかけては申し訳ないので、それからというもの犬は小便をするときにその脚を持ち上げるようになったのだと、加藤憲明さんは語っている。
原典より
昔、犬の脚は三本しかなかったけんども三本じゃ歩くのに武骨ちょうだから—— 向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。