大雨を恐れて黒幣を受けた多度詣り
どんな伝承か
八ツ屋では、雨乞いの多度詣りを各戸から一人ずつ出る総詣りで行った。多度で受ける御幣のうち金幣は御利益が強すぎて大雨を招くといわれたので、わざわざ黒幣を受けてきたという。昭和八年の大旱魃のときにも総詣りが行われた。
原典より
金幣は御利益があり過ぎて大雨になるといい、黒幣を受けてきた。—— 大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信(大治町(編)・大治町民俗誌)
『大治町民俗誌 下――霊と神・怪異・俗信』は、名古屋に接する尾張の大治町の民俗誌の下巻から、信仰にかかわる節を収めたものである。辻の地蔵や秋葉・津島の小祠、荒神・井戸神などムラとイエの神、天王祭り・虫送り・雨乞いなどの祈願、キツネツキ・タヌキ・天狗の神隠し・火の玉・ナンドババアの怪異を、大字ごとの聞き書きで記す。第五節から第九節までで、予兆・禁忌・まじない・民間療法を挙げる俗信の節と、高度経済成長後の信仰の変化を述べる節で終わる。