血を流して死んでいた滝の主の大蛇
どんな伝承か
立根町の毛無森の麓に、一丈ほどの滝がある。近くには屋根と四本の柱だけという形ばかりのお滝神社も祀られている。昔、立根町田谷の「静」という屋号の主婦が川で洗濯をしていると、上流からおびただしい血が流れてきた。それが三日も続けて流れてくるので不審に思い、血の流れをたどって上へ上へと川をさかのぼっていった。しばらく上ると、磐石の間を川の水が砕け落ちて、吸い込まれるような滝壺のところに行き着いた。よく見ると、滝壺の真ん中に大きな大蛇が死んでいた。これがこの滝の主だったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。