参籠所に出る天狗と五葉山の畳石
どんな伝承か
日頃市の山王社にある参籠所には、しばしば天狗が出て、夜ごと参籠した人を脅かすという。天狗は人の胆を試すために現れるのだが、忌穢のある者や不心得な者が参籠すると、とりわけ暴れて出てくるのだという。また五葉山に登る途中には畳石と呼ばれる巨石が横たわっており、これは昔、五葉山に棲む天狗が敷物にした石だとされ、老人たちは天狗の畳と称している。畳石から少し登った西側には、腰掛けの形をした高さ十丈余りの岩があり、天狗の腰掛け岩と呼ばれる。その付近の臼の形をした大岩は天狗の餅搗き岩と呼ばれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。