若者が溺れて名がついたテロンコ淵
どんな伝承か
盛川に架かる開発鉄道の鉄橋から二百メートルほど下手に「テロンコ」と呼ばれる淵がある。ここは以前「ロクロイシ(六呂石)」という地名であった。ある年の夏、大雨で盛川が増水して泥水があふれたことがあった。雨の上がった二、三日後、近くのテルジという若者がロクロイシへ泳ぎに出かけ、皆と泳ぐうちに増水で足をさらわれ、溺れそうになった。幸い近くの人たちに助けられたが、テルジが滑って転び溺れたというので「テロンコ」の名が生まれたという。テルジのあだ名がテロンコだったからだとも、洪水の泥と名が混同したのだともいう。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。