檜の一言で移った五葉山の領有
どんな伝承か
五葉山は仙台藩と南部藩の中間に位置していて、どちらの領地とも区別ができなかった。ある年、両藩の殿様が徳川将軍の御前に出たとき、領内に檜材の産出する所はないかと問われた。南部侯はそのような場所はないと答え、仙台侯は自分の領内なら至る所にあると答えた。その後、仙台侯は五葉山の檜をどんどん伐採し始めた。南部側は大いに驚き、五葉山は南部領だから伐採をやめてほしいと厳重に抗議したが、仙台侯は先年の将軍の御前での答えを持ち出して、この地は仙台藩の領地であると言い返した。以後、五葉山は名実ともに仙台の御用山になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説(大船渡市(編)・大船渡市史)
『大船渡市史 第4巻(民俗編)――伝説』は、大船渡市が編んだ市史の民俗編である。この写しには、第六章「俚諺・俗信」の軽口・地口の類と、天候予知や吉凶の前兆、禁忌、呪法などの俗信、第七章「伝説・昔話」のうち伝説の節を収める。伝説は木・石、山、坂・洞穴・塚、水部、長者旧家、社寺・堂閣、地名などに分けて、五葉山や日頃市・末崎など市内各地の言い伝えを並べる。