安産を願うヤヤナシ観音と子安観音
どんな伝承か
児渡の観音様はヤヤナシ観音と呼ばれ、女性の参詣が多かった。後藤の観音様も子安観音で、お産のときには安産を願って赤い布を上げた。田良尾にも子安観音があり、子供が無事に育つよう祈られた。小川の中屋敷にある子安堂では、三月に餅をついて供えるとともに、産に臨んで子安様に上がっている枕や着物を借りてきた。そして無事に生まれると、オビヤフケの折に新しい枕や着物を返礼として納めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。