浦島伝説に息づく海底の仙境
どんな伝承か
三神山が海に浮かぶ聖域なら、深い海や湖の底にも神仙の理想郷があるはずだという考えから龍宮が生まれた。龍宮は中国本土よりも日本で広く知られ、浦島伝説となった。洞庭湖のあたりに伝わる龍女の話と仙境に長く留まる話が下地で、溺れる少女を助けて海中の別世界で美女と結ばれ、故郷恋しさに玉手箱をもらって帰る筋が日本風に変わったと推察される。異界での滞在、禁忌を破ること、時の経過の不思議が共通の主題である。この説話を日本に運んだのは日本海を支配した海人族とされ、発生の地は丹後半島の先に近い京都府与謝郡の伊根で、町には浦島太郎を祀る宇良神社がある。
原典より
説話発生の地とされているのは、京都府与謝郡の伊根。—— 道教の本――不老不死をめざす仙道呪術の世界(学習研究社(ブックス・エソテリカ)・学研・道教) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
道教の本――不老不死をめざす仙道呪術の世界(学習研究社(ブックス・エソテリカ)・学研・道教)
『道教の本――不老不死をめざす仙道呪術の世界』は、藤巻一保・諏訪良次・不二龍彦・水上晋吾・吉田邦博らが分担して書いた道教の解説書である。不老不死をめざす神仙思想と「道」と「気」の考え方、彭祖や張道陵・八仙などの仙人の伝、道教の神々と宇宙観、辟穀・導引・胎息・房中術などの養生法、錬丹術、風水や召鬼法・禁呪・尸解といった方術、日本の道教を扱う。神仙・道・不老長寿・方術の章立てを取り、巻末に霊符の呪法と各種の霊符を図とともに解説する。