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浄土寺の縁側に並ぶ武士の正体

所在地島根県邑智郡美郷町粕渕(浄土寺)
年代慶応2年(長州征伐の頃)
登場村民
出典動物界霊異誌

どんな伝承か

慶応二年、長州征伐のころ、島根県邑智郡小原村の大寺浄土寺に、夜ごと十人、二十人ほどの武士が本堂の縁側に並ぶ姿が現れ、村中を驚かせた。幕府領大森銀山の代官の支配下にある片田舎で、ふだん武士など見かけない土地だったので、初めは長州の侍が入り込んだのかとも噂された。しかし寺には前から蝦蟇が多く、蝦蟇は武士に化けるといわれていたため、村人総出で境内を探すと、寺の裏の岩山、蛇ヶ淵を見下ろす岩窟に大小数百匹の蝦蟇が集まっていた。これを捕らえて江の川の急流へ投げ込むと、寺の怪異はやんだ。

原典より

其結果、或る日村民總出で寺内を捜索したら、寺の裏の岩山にして、 の急 、俗名蛇ヶ淵の上に臨んで居るところの岩窟内に、大小數百疋の墓が集合して居るのが見附けられた。—— 動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物界霊異誌(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1927年(昭和2年))

『動物界霊異誌』は、岡田建文(蒼溟)が昭和二年に著し、郷土研究社から出した動物怪異の記録集である。二十余年にわたって集めた体験や同志の報告から、動物にまつわる怪異の事例を選び、山陰地方を中心とする明治・大正の見聞と、近世の随筆に見える記事を収める。蝦蟇・猫・河童・狐・狸と貉・外道(人狐)・蛇などの動物ごとに、解説・事例・古人の記述の順に並べ、心霊の立場からの考察を加える。

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