下の病に効く男根石のシャダンサン
どんな伝承か
大塚町のある家には、魔羅神とかマラガンサンとも呼ばれるシャダンサンが祀られている。もとは出雲街道わきの田の中に立っていたが、土地改良の折にその田の持ち主の庭へ移され、石の祠に納められた。御神体は男根をかたどった石である。子供の風邪、とりわけ咳に効くほか、目の病や下の病を癒すと信じられ、近くの今市に遊廓があった関係で、性病を病んだ者の願かけが多かった。昼間に参るのは恥ずかしいというので願かけは夜に行い、自分の名と性別を書いた旗を立てた。病が癒えると真赤な旗を立ててお礼参りをしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。