品川の遊女屋が八坂神社に納めた石棒
どんな伝承か
八日市場市小高(現匝瑳市)の八坂神社には、江戸品川の浜で網にかかったという男根形の石棒が伝わる。八坂神社近くの名主小高縫殿之助の孫、石井菊蔵は百姓を嫌って江戸へ出て品川で遊女屋を始めたが、当初は振るわなかった。故郷の八坂神社に祈願を続けるうち繁盛し、品川で屈指の遊女屋となった。やがて品川の海で網にかかった珍しい石棒を手に入れるとますます繁盛したため、神社の加護によるものとして石棒を奉納したという。八坂神社は今も子授けの神として信仰されている。
原典より
八日市場市小高の八坂神社には、江戸の品川の浜で網にかかったといわれる男根の形をした石棒が伝えられているという。—— 房総の伝説(平野馨) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
房総の伝説(平野馨)
『房総の伝説』は、平野馨が安房・上総・下総の旧三国、ほぼ今の千葉県に伝わる伝説を選んで編んだ資料集である。ホトトギスやワラビの由来、片葉の芦や頼朝の箸の杉、弘法の井戸、将門や八幡太郎の話、坂戸神社の人身御供、証誠寺の狸など、動植物・石・池・地名・家・祭りにまつわる伝説を市町村名を添えて記す。はしがきに示す自然伝説・歴史伝説・信仰伝説の三部に分け、解説や論評を加えずに書き連ね、似た話のある土地も併せて挙げる。