キンモクセイを登る蛇は弁天さん
どんな伝承か
大塚町のある家では弁天さんを祀っている。弁天さんは水を司る神で、もとは池の中においでになったと言い伝えられてきた。その祠のそばに立つキンモクセイの木には、下からしばしば蛇が現れて幹を登っていくため、あの蛇こそ弁天さんの姿ではないかと語られている。祀り日はいずれの家も四月一日で、畑から採った季節の野菜を供え、弁天さんの前に夕方まで旗を立てておく。別の家では大きな餅を搗いて、近所に配るのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。