荒神の椎の木の根もとに捨てる泥天神
どんな伝承か
大塚町では、古びたお札は十年ほど前まで各家が正月十五日の晩にトンドで焼いていた。今は出雲生活センターに集めて焼くが、なお塩で清めてから畑の隅で燃やす家もある。人形の始末はまた別で、三月節供の雛人形は古くなったり壊れたりすると神社へ納めた。泥天神さんの古びたものは、黒目荒神さんの御神体である椎の木の根もとへ捨てるならわしだったという。町内の古い泥焼きの雛人形や昔の天神さんも、同じくこの木の根もとに捨てられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの』は、出雲市大塚町の民俗調査報告書のうち、「XII 村の神」の章と「XIII 年中行事」の章の冒頭を収めたものである。氏神の大歳神社の祭りと由緒書、同族神・屋敷神・屋内神、札うち、講、寺、俗信、キツネに憑かれることを「サバラレル」と呼ぶ憑きもの、民間療法を、昭和五十七年ごろの聞き書きで記す。年中行事は正月準備から一月十一日の鎌初めまでで、文の途中で切れている。