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地蔵の前で消えた坊さんと安産

所在地埼玉県川口市大字神戸(宝泉寺)
年代昔
登場難産の娘の母・坊さん
出典川口市史 民俗編――伝説

どんな伝承か

昔、ある家で難産に苦しむ妊婦がいた。母親の婆さんは、娘がこんなに苦しんでいるのに家が貧乏で産婆を呼ぶこともできないとおろおろするばかりで、見るに忍びず泣きながら家を飛び出し、村中を助けてくれと叫び回った。途中で出逢った坊さんが事情を聞いてくれ、一緒に行って拝んでやればすぐ無事に生まれると言うので、喜んで我が家へ急いだ。ところが宝泉寺のお地蔵さまのところまで来ると、坊さんは「もう大丈夫だから安心して帰れ」と言ってふっと消えてしまった。慌てて家に駆け戻ると出産は済み、娘の側に赤ん坊が安らかに寝息を立てていた。地蔵さまが身代わりになってくださったのかと、婆さんは手を合わせて拝んだという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)

『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。

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