仁王をかけ渡した薬師さまの橋
どんな伝承か
安行慈林の薬師堂へ参るには、参道の薬師道を通って仁王門をくぐる。その薬師道の途中に仁王橋という橋がある。昔、薬師堂が火事に遭ったとき、炎に包まれた薬師さまが逃げるにあたり、山門の仁王をかつぎ出して、それを橋にして渡り難を逃れたのだと伝えられ、だから今も山門に仁王像がないのだという。一方で、以前の石橋に仁王の姿が彫られていたことによる名だとも語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史)
『川口市史 民俗編――伝説』は、川口市が編んだ市史民俗編のうち、第四章「伝説」を収めたものである。六兵塚や首塚などの塚、山・池沼・樹木にまつわる話、八百比丘尼の椿、神社・地蔵・観音・薬師の霊験、地名の由来、正月の餅を搗かない家例や蛇まつり、川口の鋳物の始まりなどを、地内の地名や家名とともに記す。自然伝説、信仰伝説、歴史伝説の三節に分け、節の中を塚・山・池沼などの項に立てる。