猫の種類――ネコ・トコ・ヘコ
どんな伝承か
平塚市旭地区の山下に伝わる、猫の見分け方である。猫には三いろあるという。ひとつはネコで、鼠を捕る猫を指す。ひとつはトコといい、鳥を捕る専門の猫である。もうひとつはヘコで、これは蛇を捕る猫だという。そんなやつを飼ったら家の者が困ってしまう、と語られた。土地では猫を、その捕る獲物によって三種に呼び分けていたことがうかがえる俗信である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承(平塚市(編)・平塚市史民俗調査報告書)
『平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承』は、平塚市の旭地区の民俗調査報告書のうち、第八章「口頭伝承」を収めたものである。下山下・万田・公所・山下などで聞いた昔話十五話、狐に化かされた話や狐憑き・ムジナ・神隠し・幽霊・塚のたたりなどの世間話四十一話、曽我伝説の虎御前や社寺のいわれなどの伝説十一話を収める。昔話は『日本昔話集成』『日本昔話名彙』に照らした分類表を掲げ、各話に地区名や話者名を添え、末尾にことわざといいまわしを載せる。