狸が雨戸をたたく
どんな伝承か
平塚市旭地区の山下に伝わる話である。この土地には昔、狸が多かったという。夜、雨戸をトントントンと叩く音がする。誰か訪ねて来たのかと思って戸を開けて出てみると、そこには誰の姿もない。狸のやつが逆立ちをして、尻尾で雨戸を叩いているのだ、と土地の者は語った。人が出ても姿を見せぬところが狸の悪戯とされ、山下の話者が語り伝えた世間話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承(平塚市(編)・平塚市史民俗調査報告書)
『平塚市史民俗調査報告書5(旭)――口頭伝承』は、平塚市の旭地区の民俗調査報告書のうち、第八章「口頭伝承」を収めたものである。下山下・万田・公所・山下などで聞いた昔話十五話、狐に化かされた話や狐憑き・ムジナ・神隠し・幽霊・塚のたたりなどの世間話四十一話、曽我伝説の虎御前や社寺のいわれなどの伝説十一話を収める。昔話は『日本昔話集成』『日本昔話名彙』に照らした分類表を掲げ、各話に地区名や話者名を添え、末尾にことわざといいまわしを載せる。