鷲にさらわれ良弁となった子を尋ねる母
どんな伝承か
香川県香川郡直島町直島に伝わる昔話。京都で茶摘みをしていた母親が、そばに寝かせていた子供を目を離した隙に鷲にさらわれてしまった。それを聞いた父親はショックで死んでしまった。母親はその子がどこかで生きているに違いないと信じ、三十年間探し歩いた。琵琶湖の渡し舟の所で、鷲にさらわれた子は奈良の二月堂で良弁という立派な僧になっていると聞き、奈良まで訪ねて行ったという。話者は立石武一。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。