墓の中の子に飴を買いに来る母の幽霊
どんな伝承か
おばあさんが飴屋をしていると、毎晩、店をしめるころになると若い女の人が飴を買いに来た。女はつめたい細い手を出して飴をもらって帰る。毎晩来るので不思議に思い、あとをつけて見に行くと、その人は墓のところで消えた。墓の下からぱっと光がさしていたので、その墓をあけてみると、赤ん坊が墓の中で生まれて、まるまると太っていた。母親が毎晩飴を買って食べさせていたからだという。その赤ん坊を連れ帰って育てたところ、えらい坊さんになったそうな。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。