主の墓前で息絶えた名馬太夫黒の塚
どんな伝承か
屋島の合戦で、義経に従っていた佐藤継信が能登守教経の放った矢に射られて命を落とした。義経は深く嘆き、継信を手厚く葬ると、その葬祭料の代わりに自分の愛馬である太夫黒を志度寺へ贈った。ところが寺のうまやから馬の姿が消え、探すと継信の墓前で倒れて息絶えていたという。義経はこれを哀れみ、継信の墓のかたわらに塚を築いて馬を葬った。牟礼に残る太夫黒馬塚がそれである。
原典より
屋島の合戦のとき義経の家来佐藤継信は、能登守教経の矢先にかかって討死。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。