太政官令で五月十五日に改めた例祭
どんな伝承か
明治に入ると、経費を減らし行事を簡単にするため、近隣の祭日と同じ日にそろえることが行われた。福井県今立郡の旧上池田村稲荷にある須波阿須疑神社の例祭は、古くは陰暦四月の二の卯の日に行っていたが、明治六年から太政官の布告に従って五月十五日に改めたという。原典は、福井県では各神社の祭日を徹底して一つにそろえた跡があるとし、兵庫県の城崎郡でも従来の祭日を顧みずに一律十月十五日としている例を並べている。
原典より
福井県今立郡上池田村(現・池田村) 稲荷の須波阿須疑神社の例祭は古くは陰暦四月二の卯の日に行なったが、明治六年から太政官公布令によって五月一五日に改正した(『今立郡神社誌』P5)。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。