圧迫に耐えかね消えたクダ屋
どんな伝承か
クダ狐を飼うとされる家は「クダ屋」と呼ばれ、縁組を嫌われるなど周囲から強い圧迫を受けた。憑きもの筋の家自身がそうした周囲の圧力に耐えかねて、住んでいた土地を手放し、よそへ転出してしまう例も少なくなかったという。静岡市付近でもそのために古くからのクダ屋が次々と土地を去り、今では昔からのクダ屋がいなくなってしまったと伝えられている。
原典より
静岡市付近ではそのために、いまでは昔からのクダ屋がいなくなったという(『民間伝承』六ノ六)。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。