くぐつ村と久沓神社
どんな伝承か
くぐつ村というのが、今、三河国碧海郡新川町にある。この住民は農を主とし、かたわら屋根葺き、井戸掘り、車挽きの力役をしている。神楽を好み、巫子を多く出す。住民には市古という姓が多い。この地の祭神はもと久沓神社で、天照大神と迦具土神を祭っていたが、他村から白山社を移して本社とし、今は久沓神社を末社としている。その生業や祭神などから見て、昔のくぐつ時代の名残りが多少うかがい知られる、と説かれている。
原典より
くぐつ村といふのが、今、三河國碧海郡新川町にあるが、この住民は農を主 し、傍ら屋根葺、井戸掘、車挽の力役をしてゐる。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。