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修験の飼い狐が憑いたと訴える届書

所在地東京都新宿区大久保新田(大乗院)
年代寅五月
登場御普請役町田相之助の妹あい、町田相之助、御普請役・届出人
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

『半日閑話』が写しとった、狐憑きの届書である。御普請役町田相之助の妹あいは、四月二日から乱心のようになった。よくよく問いただすと、自分は大久保新田の当山派修験・大乗院に飼われている狐で、祈禱を頼ませて布施を取らせるために大乗院の指図で乗り移ったのだ、と口走る。家の者は昼夜つききりで介抱し、大乗院の触頭である鳳閣寺へ相談した。呼び出された大乗院は言い開きもできず、組合の者たちも赤面したという。祈念で一度は落ち着いた病人が晦日から再び騒ぎ出し、幾度祈っても狐は立ち去らない。同じ噂が他所にもあると聞き及ぶので届け出る、と結ばれている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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