出生順に檀那寺を分ける絵踏帳
どんな伝承か
男女別半檀家では子女を男女で父方・母方の寺に分けるが、それとは違う分け方も行われていた。桜田勝徳が紹介した野母村の宗旨御改絵踏帳には、生まれた子を出生の順に従って夫と妻それぞれの寺へ交互に振り分けている家がある。家長の妻の側にあたる蔵徳寺には二十六歳の女子と二十三歳の男が、家長の側にあたる海蔵寺には二十五歳の女子と二十一歳の男子が名を連ねる。男女ではなく生まれた順で檀那寺が決まる珍しい例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。