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若狭局と比企禅尼

所在地埼玉県東松山市大谷(大沼)
年代伝承
登場語り手、伝承者
出典東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説

どんな伝承か

元久二年、源頼家の側室若狭局は、将軍の死後に尼となり、師匠の比企禅尼とともに修行していた。頼家の遺品である櫛を肌身離さず持っていた局だったが、禅尼の諭しにより、過去への執着を断つため、それを大沼に投げ捨てることを決意する。夜明け前、二人は沼畔へ向かった。朝日に光る櫛は水面に落ち、静寂のなか沈んでいく。局は芝の上に膝まずき、涙ながらに頼家とのいにしえを忍んだ。禅尼もまた珠数をつまぐりながら、黙して孫娘の悲しみに寄り添ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史)

『東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説』は、東松山市が編んだ市史の民俗編のうち、伝説の部分を収めたものである。岩殿山の悪龍退治や比企一族の落人の話、永福寺の河童の詫証文、箭弓神社の銭絵馬、狐に化かされた話、神かくし、雪女郎など、市内の寺社・坂・沼・塚にまつわる四十六話を載せる。各話は会話を交えた語り口に書き直され、多くの話の末尾に〔 〕で由緒や文献上の注を添える。

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