都幾川の河原小屋で急死した夫
どんな伝承か
埼玉県東松山市上押垂の都幾川の河原には、平成八年から松島真佐子・政吉の夫婦と兄の始が小屋を建てて住んでいた。三年余りたった平成十一年十月十四日、政吉と真佐子は同市神戸の建設業、捌幡忠男の家で薪を割っていた。午後三時ごろ、政吉は立ち小便をしたあと急に気分が悪いと言ってうずくまり、捌幡が自分の車で河原の小屋へ運んだ。政吉が急死したのは、その翌日の未明である。脳出血であったらしく、四四歳だった。身元がはっきりせず、身元不詳の仏として市内の寺の墓地に葬られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))
『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。