急死した設計士と二つ残った食べ残しの皿
どんな伝承か
ラジオ番組に寄せられた電話での体験談。現在は関西にいるという女性が、東京にいた頃の出来事として語った。京橋で美容院を経営していた彼女は、店の改築の相談のため、親しい設計士のHさんと東京・麹町のあるホテルの食堂で会った。Hさんはいつになく元気がなく、ハンバーグを半分食べたところで気分が悪いと言って帰った。彼女が帰宅すると、Hさんはついさきほど心筋梗塞で急死したという知らせが届いていた。ホテルへ引き返して尋ねると、ボーイ三人が二人で食事をしていたと証言し、食べ残しの皿が二つ残っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)
『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。