遍照寺の聖天様と酒を盗んだ寺男
どんな伝承か
西本町の遍照寺の聖天様は流行病を防いでくれるといわれ、ゴショデンさんと呼ばれて信仰されていた。この聖天様には次のような伝えがある。遍照寺三十三代住職憲精の折、酒好きの寺男が聖天様にあげる酒を買いに行った。帰り道、酒の香に誘われてとうとう全部飲んでしまい、徳利に水を注ぎ、笹を御酒口にさして知らん顔をしていた。ところがその晩、寺男は高熱を出し、「聖天様御勘弁下さい」とうわ言を言ったので和尚に判った。和尚が寺男を責めると、聖天様があらわれて「さっき笹藪で寺男から飲ませて貰ったから、そんなにせっかんするな」といったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。