庚申像の手を四本にした石工の節約
どんな伝承か
柏崎市久米の庚申さんの手は四本だといわれ、事実、四手の青面金剛像塔がある。四手である理由については次のような伝承がある。昔、石工に庚申塔の造立を依頼し、「なるべく手をぬいてくれ」と頼んだ。頼んだほうは費用の節約を意味していたのだが、石工は六手のうち二手を省いて時間の節約をしたというのである。この伝承はさて置き、四手のものは久米のほかにも、水上の大光寺の庚申掛軸、西之入安住寺門前の青面金剛像塔、佐水や四谷の像塔、谷根の新沢兵三郎所持の掛軸などにみられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。