控えが残る現存最古の庚申講
どんな伝承か
庶民が講を結んでこれを庚申講と称した最も古い証拠は、寛永十五年に足立区西新井町で建てられた庚申塔だとされる。それ以前の塔には一結衆と刻むにとどまる。現に続いている講のうち最も古い伝統を持つのは長野市中越のもので、元祿六年正月から今日までの当屋の控えが途切れずに残されている。もっとも、実際にはその記録より前から講は組まれていたらしい。栃木県茂木町の生井には天正九年ごろに講があったとおぼしい痕跡もあるが、こちらは確かとは言い切れない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。