庚申塔の前のクケツの貝
どんな伝承か
庚申講を営んでいると、六部姿の人が現れて仲間に入れてほしいと頼んだ。快く入れてやると喜び、次の番には自分の家へ来いという。次の講の日、下戸の一人が酒盛りの最中に台所をのぞくと、三尺たらずの小さな人が直垂を着て料理をしていた。驚いたその者は逃げ帰ってしまう。夜が明けると、ほかの者はみな庚申塔の前で正座していた。小さな人が料理していたのはクケツの貝という、食べれば長生きをするものであったという。逃げ帰った者だけは、それを食べることができなかったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。