イットコショダンゴ
どんな伝承か
昔、心の優しい働き者だが物ごとを忘れるのが欠点の若者がいた。それでも見込まれて隣村からきれいな花嫁が来て、二人は仲よく田畑を耕した。ある日、若者が嫁の実家へ行くと串に刺した丸い物を出され、うまいので名を尋ねると団子だと教えられ、娘が作り方を知っているから帰って作ってもらえと言われた。忘れまいと唱えながら帰る途中、壊れた一本橋を「イットコショ」と跳び越えた途端に名を取り違え、拳や柱に頭を打つうちにできた瘤を嫁に指摘され、ようやく団子を思い出したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。