奈良瀬(奈落の瀬)の難所
どんな伝承か
奈良瀬という地名は、奈落の瀬から来たものだという。奈落とは、芝居の舞台裏の下や大地の底のように、落ちたら二度と上がって来られないような深い場所を呼ぶ言葉である。奈良瀬橋は電源開発の口直海ダムによって今は水没したが、かつて直海谷の住民が鶴来へ出るには、この奈良瀬の難所を越えるか、山続きの道を通るほかなかった。奈良瀬は絶壁が高く、当時として橋を架けるには難所であったという。
原典より
奈良瀬は奈落の瀬より来たもので、奈落は深い場所で芝居などの舞台裏の下とか、大地の底など落ちたら上って来れないような処を呼んだようである。—— 河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説(河内村(編)・河内村史)
『河内村史 下巻(民俗編)――白山麓の伝説』は、白山麓の河内村の村史の民俗編から、民話・伝説と故事を記した節を収めたものである。白山の千蛇ヶ池や富士山との背くらべ、高ボウケの大蛇、猿仏の名号、おひなの荒、天狗、菊酒、池の金山の伝説など、村と周辺に伝わる話を、白山関係の古文書や郡誌を引きながら記す。第三節「民話 伝説」、第四節「故事 伝説」、第五節「伝説」に分け、話ごとに題を立てて由来や現地のようすを添えている。